仕事や日常生活等で、漢字の使い分けで困るってありますよね?
例えば、
「弊社のX商品は、お客様購入後より、1年間、保証します。」
の保証の漢字は、保証で正しいのか?
保証以外の漢字にも、保障、補償があって気になってしまった。
そんな経験はありませんか?
そこで、保証と保障、補償は、どう違うのか、正しく使い分ける為に調べてみました。
保証と保障、補償の違い、使い分けと例文
保証 の意味
保証という言葉には、二通りの意味があると思います。
まず、日常生活で用いられる「保証」という言葉。
- 製品や商品の保証であれば、性能、品
- 人物の保証であれば、能力や資質、人柄
等があります。
保証とは、これらの性能、品質、能力、人柄等のあらかじめの評判について、太鼓判を押すことです。
「問題がない、大丈夫。」
この時保証をした人は、将来的に、道義的に何らかの責任を負う形になります。
もう一つは、民事法の法律上の概念です。
例えば、
- 身元保証人になる
- 連帯保証人になる
- 保証金を支払う
等です。
これは、契約の際の取引相手から、求められるものです。
将来の財産的な損害を未然に防止するために行われる人的な担保です。
こちらは法律上の様式に従って、保証契約が行われ、法律上の効力もあります。
法律上の効力とは、万が一保証人が保証の約束を果たさない場合は、裁判所から強制執行を受ける可能性があるということです。
ですから、安易に誰かの保証人になるのは、とても危険なのです。
以上、保証の意味を考察しました。
従って、弊社のX商品は、お客様購入後より、1年間、保証します。
の漢字は、保証で正しいという事になります。
保障の意味
それでは、保証以外の意味や概念はどんなものか?
の説明をしていきます。
保障の意味は、平和(平穏無事)な状態、現在の保たれている状態が、損なわれない様に、守るという意味になります。
保障は、警備会社等を除いて、ビジネスの現場ではあまり使われません。
警備会社であれば、警備して、生命財産を守る(警備保障)という事になります。
保障と言う言葉が使われるのは、政治の場面です。
- 国家安全保障
- 人権保障
等がこれにあたります。
補償の意味
補償とは、既に発生した損害を償う(つぐなう)、賠償する事です。
補償の方法は、いろいろありますが、金銭の補償がメインです。
補償については、各種法律や、民間の契約について、様々です。
その中では、労働者に身近なのは、
- 労災保険(労働者災害補償保険法)
になります。
その他、日本国憲法では、
- 損失補償 (29条)
- 刑事補償請求権(40条)
が定められており、私達の生活には、結構身近だったりします。
保証 保障 補償 の違いのイメージ
以上、保証、保障、補償の違いについて、ご紹介してきました。
個人的なイメージでは、この3者には時間軸の違いがあると思います。
- 保証→これから(未来)のリスクを予防する→未来軸
- 保障→これまでの状態(現在)を引き続き保つことに努める→現在進行形の軸→現在軸
- 補償→これまでに起こった(過去)損害の回復に努める→過去軸
つまり、
- 保証→未来軸
- 保障→現在軸
- 補償→過去軸
という事になります。
私は、”ほしょう”の漢字の使い分けに迷った際は、以上の3つの時間軸に基づいて、漢字を使い分けていますが、その使い分けで間違ったことはありません。
以上、参考になれば、幸いです。